今、残業代請求が急増しています。
残業命令簿等、企業側に具体的な反論材料が無い場合、労働者のタイムカードの打刻時刻から残業時間を特定し、その時間数に、残業した人の平均賃金と割増率を乗じれば、簡単に残業代を算出でき、最大2年間さかのぼって請求することができるのです。
本当に会社が残業を命令して、労働者が労働しているのであれば、会社は残業代を支払わなければなりません。
しかし、単にタイムカードの打刻時刻から、残業代を請求されたら、会社の経営は、大変なことになります。
しかも、複数人に請求されたら、経営を揺るがしかねない重大な影響を及ぼすおそれがあります。
未払い残業代を請求させないために、事前に会社の現状を把握し、問題点を洗い出し、その解決策を検討しておくことが重要になります。
- 定額残業制を導入する
残業代対策に最も効果のある方法の一つが「定額残業制度」です。
これはたとえば、普段の給料の中に30時間分の残業代を入れ込んでしまうというもので、導入すれば、30時間分の割増賃金は給料に含まれていることとなり、残業が30時間を超えたときにだけ割増手当を支払えばよくなります。
残業代対策としては非常に効果の大きい方法ですが、社員の合意を得なければならないなど諸手続きがあるので、まずは制度を理解したうえで導入するかどうかを検討してみるといいでしょう。
- 年俸制を導入する
社員の給料を、たとえば年俸500万円とし、500万円の中に月々30時間分の残業代を含めてしまいます(上の定額残業制と同じ考え方です)。
これにより月30時間分は普段の給料で処理することができるようになり、30時間を超えた分だけ新たに残業代を支払えばよくなります。
なお年俸制は社員の評価基準をきちんと定めれば、評価の低い者には昇給させないなどの措置をとることも可能です。
- 残業を申告制にする
時間外労働をする社員には、申請書(許可書)を提出させるようにし、申請書を提出しないときは残業を認めないこととします。
こうすることで社員が際限なく残業することを抑えることができます。
- タイムカード規定を設ける
残業でないにもかかわらず会社に残り、タイムカードの打刻が遅れた場合は、タイムカードを本人に修正させるといった規定を就業規則に盛り込みます。
- 事業場外みなし労働時間制を導入する
営業マンが多くいる会社は「みなし労働時間制」を就業規則に規定しましょう。
外で8時間以上労働しても、通常より少なく労働時間を算定することができるようになります。